「見極め」

昨日は中学3の保護者会を実施した。7月20日終業式以降は個人面談をする。塾の短い時間であるが、明らかに表情が明るくなった子、やる気に満ちた顔をしている子はわかる。するとお母さんもにこやかな顔で保護者会に臨まれる。我々も順調に成長していると嬉しくなる。中学3年生にもなると成績だけでなく、人間的にも驚くべき成長を遂げたのがわかる。しかし、親が成績にのみこだわると何事も長続きしなくなる。

 

我々から見ると、本人の心の成長がないと成績も上がらないだろうと感じる。学校には学校の学習の仕方があり、進度もある。塾は学校と同じようにはできないので定期試験、受験、の指導を重点的にする。ご家庭では極力コミュニケーションをとっていただきたいとお願いをする。高校生になるとその成果が見えてくるというお話をした。

 

「厳しくしてください。」とおっしゃる保護者の方がいる。その裏返しに、「家では言っても親の言うことを聞かないから塾で言ってやってください。」が聞こえてくる。堂々とおっしゃる保護者の方もいる。「厳しくする」とはどういうことかしばしば考える。私が考える「厳しくする」と保護者の考える「厳しくする」明らかに異なる。

 

夏休み。部活動では中学生活最後の舞台があり、後半は受験に向けての心を作って行く時間だ。

 

〈菜根譚〉にこう書かれている。
《人を叱責するときは、あまり厳しい態度で臨んではいけない。相手に受け入れられる限度を心得ておくべきだ。人を教導するときには、あまり多くを期待してはならない。相手が実行できる範囲内に止めておくべきだ。》

 

ここからの時期
「範囲内」の見極めが教師にかかっている。

高山曜三