「あたりまえの知行合一」

10数年前こんなことを書いた。

 

「あたりまえの知行合一」

大学構内で
少しふてくされ気味の大学生と話した
「授業はないの?」
「今春休み」
「へー、いいね大学生は」
「ところで君は何故大学にいるの」
「大学構内駐禁3回したから謹慎」
大学なのに高校のようだと
愚痴を長々と話してくれた

「ところで君はどこの出身」
「岐阜県の関市」
「刃物で有名だね」
「知っていますか」
「厳しいよね刃物も」
「そうなんですよ、就職も困ります」
敬語に変わる、目が輝く
自分のことをわかってくれる期待が
彼の言葉を敬語にした

就職に対する不安
大学を続けることの不安を語った
その<不安>が
<あきらめ>に変わってしまうと
将来が難しい
<金髪に近い髪の色>
<だらしない服装>
<駐禁常習>
目に見えている現象より
心の中に潜むものを見つけれることが出来るのかが問題

誰かが不安に応えてやれば
少しずつでも自分で
自分づくりに取り組むだろう
・・・・・この若者は大丈夫だ

少子の問題は
ミライの国の財政もそうだが
学校の経営基盤も揺るがしている
選ばれる学校にするために
さまざまな学校がさまざまな努力をする
ウツワをいくら立派なものにしても
耳障りのいい学部、学科をいくら作っても
結果は時間と共にでる

今は
教授も先生も一人ひとりが
学生、生徒に向き合う覚悟があるかないかが試されている
教育再生、学校改革と言葉が先行している
当たり前のことで考えてみる

<履物をそろえることの大切さ>

という知識は知っている
これはどうだろう

<履物をそろえることが出来る>

という事実
難しい学問と簡単な1つの行動
当たり前の簡単な行動を身につけることを
教えたのは誰か
「大学まで来て教えることではない」
と言われるだろう
出来ていないことはいつ教えても
出来るようにする方が大切だと思う
実は仕事も社会も
当たり前をどれだけ確実に実行するかだ

知行合一
<知るは行いを以って完成する>

本当に大切なこと
当たり前のことを実行できるまで教える
教育が今必要だ

※10数年前、たいそうなことを書いたものだ。今は非常勤で学生や生徒を教え、セミナーで社会人の方に話している。当たり前のように全力で取り組んでいるか。自問自答だ。