大学で一般教養科目を教えているが、聞いてくれているのかいないのか。私の授業がつたないのが原因だろうとは思うが、なかなかしっくりとは来ない。
「人の悪を攻むるには、はなはだ厳(げん)なるなかれ、その受くるに堪(た)えんことを思うを要す。人を教うるに善を以ってするは、高きに過ぐるなかれ、当(まさ)にそれをして従うべからしむべし。」〈菜根譚〉
《人を叱責するときは、あまり厳しい態度で臨んではいけない。相手に受け入れられる限度を心得ておくべきだ。人を教導するときには、あまり多くを期待してはならない。相手が実行できる範囲内に止めておくべきだ。》
その通りだ。
大学の学部にグローバル何何という名称がつけられたり、何事にもグローバル化と言われ、グローバル人材が求められると社会で言われた今は昔。
グローバルとは国際協調、国際分業など国境をこえて世界が結びつくことである。それは、世界中の国々を認めることではない。ましてや英語が話せることを重視することとは、さらさら違う。まず、「世界の国と日本はどこが異なるのかを知ること」である。隣国の主張に合わせることが、国際化ではない。自国は「こうです。」とはっきり言い、そのうえで協調できることを模索することが必要だ。