「素直と責任」

数年前「ひもろぎ苑」で社会人研修を人材派遣会社に依頼され1泊2日で行った。

就労支援研修で25名ほどの若者の参加があった。ひもろぎ苑には4畳ほどのバンガローキットがあり、ペットボトル、ビニールパイプ、杭などの入った箱を渡し、緩やかな斜面に土台の水平を出し、基礎の柱を置くところから床、壁、屋根の順に建てていく。建ち上がるまでに6時間くらいかかる。

いくら言葉で良いことを言っても人間は行動させてみれば、たちどころに、その人間の持っている本性が見えてしまう。持っている本性とは、その人間が今までどのように身体を動かしてきたか、即ちどのような考えのもとに行動してきたかの集大成である。
それ故、疲れてくると勝手な動きをして協力をしない。配慮のない人間はすぐそばの人間が重たいものを持っていても手を差し伸べない。

「ひもろぎ苑」にはバンガローキットが4棟ある。毎年中学生のキャンプでバンガローを建てるのだが大人より早く、協力をして建てる。建て終わった後はすがすがしい。大人のチームは少なからず「しこり」が残る。この時「素直」という特性がいかに大切かということを見せてくれる。

21日は参議院選挙。日本国民と言う自覚をして責任を負う日でもある。棄権をすることなく投票に行って欲しい。
自分の役割に「素直」に取り組む。もっとも簡単なことがトシを取ると難しくなる。

高山曜三