「礼儀」と「掃除」と「もの作り」

「ひもろぎ苑」はリニューアルのための整備を昨年からしている。ようやく終盤に来た。多くの物を捨てることに苦しみながらも、仕方なく捨てる。
こんな言葉にネットで出会った。「「雑巾を当て字で書けば蔵と金、あちら福福(拭く拭く)こちら福福(拭く拭く)」とあった。なるほどと感心。

日本には創業200年以上の会社が3500社あると言う。2位のドイツが約800社と言うからダントツの1位である。1位であることはもちろん誇らしいが、それよりも日本と言う国が安心して暮らすことが出来き、先の大戦でも潰れずに会社を存続させているという国民性を感じる。しかしこのたびの武漢肺炎はそうはいかないだろう。

生き残っている企業の多くが、「ものづくり」に携わっている。そして大半が、伝統工芸と言われるものを作っているのではなく、時代の最先端をいく商品や製品を生み出していると言うから驚きである。
「モノづくりを尊ぶと、継続を美徳とする価値観が根付いていることも日本が老舗大国であることの理由に違いありません。」
と言う。アジアでは、200年以上の企業は中国に9社、インドに3社、韓国は0らしい。この事実こそ、いくらケチをつけても日本の揺るがない歴史と伝統の結果である。

エンゲルベルト・ケンベル(ドイツ・医師)江戸時代来日した時、「世界中のいかなる国民でも、礼儀と言う点において日本人に勝るものはない。彼らの行状は、百姓から大名に至るまで大変礼儀正しいので、国全体を礼儀作法を教える高等学校と呼んでもよかろう。」と言ったそうだ。

私を含めて今の日本人は高等学校とはいかない気がする。

高山曜三