未来の父親を育てる

「ひもろぎ苑」誰も知らないけど根っこを張っている。
20数年前。平成に入った頃、工業高校の担任をしていた。失業をしたり、交通事故をしたりと卒業生の状況を、学校を訪ねてくれた卒業生から聞いた。卒業したらどうすることもできない。いや、悩んでる者を集めて話をしたい。と思うようになり、電話をかけたり、友達づてに数十人と集めた。
失業して職を探している者。悩んで会社に行ってない者。いろいろ悩みを抱えていた。月に1回元気付ける話を朝方までした。1回では足らず2回に増えた。その日は元気になる。希望や夢を持ち帰っていく。しかし、次の時には疲れ切った顔で別人のように来る。逃げる者もいる。
いつも自問自答をした。なんで効果のない事をしているのか?必要のないことなのか?自分は何がしたいのか?
ある日自分の中に納得の言葉が生まれる。「自分は未来の父親を育てている」であるならばこんな話ではダメだ。父親になったとき語ることができる何かをしなければ。
「キャンプ場造り」いきなり思い浮かんだ。お金はない。場所のあてもない。とにかくできる要素など一つもなかった。有志の方々と三重県の菰野町、員弁町、大安町といくつか巡り歩いて1995年(平成7年)6月菰野町の雑木林にみんなを呼び集めた。それが今の「ひもろぎ苑」の第1歩だった。
当時参加した最年少が20歳。今年47歳。立派なオヤジになっている。その子供がひもろぎ苑に来ている。