「根を張る前のタネをまく場所」

「根を張る前のタネをまく場所」
前回はひもろぎ苑の始まりを書いた。同時に若者を集める前の、ひもろぎ苑の場所に種を撒こうする時が思い出された。
もともとひもろぎ苑の持ち主は、地元では有名なやくざみたいな人の持ち物らしい。その人は外国の人だと言う。たくさんの人から交渉を止められた。なぜこの土地に執着したのかと言えば、この土地は国定公園の中にあり借地であるということ。建物は廃屋になっているから欲しいとは言わないだろうと思ったからである。要はお金がなかったからである。
しかし、周りの人からは付近に最近観光用の道路が通る予定だから手放さないだろう。と言われた。さらには、居住権を買わなければならなくなるだろうとも言われ、みんなからは「一体いくら持ってるの?」と聞かれる始末。
そのとき持っていたのは30万円。そのお金が高いのか、安いのかすらわからない。相手次第ということだった。その相手が日本人じゃなく、やくざのような人だということ。地元では堅気の人は誰も話をしないらしい。
私は若かったからか、よほど馬鹿だったかわからないがその人に会いに行った。その人は眼光は鋭く顎から首にかけて傷がある、60も半ばの紳士?であった。
「男の子を立派な日本の父親を育てるため」に土地を使うということ。人を鍛えるためにはモノづくりが必要だということなどを必死に話したと思う。後で考えれば日本のと言ってよかったかなどいろいろあるが話を聞いた後でその人は、「譲ったろう。いくら出すんだ。」とその方は聞いた。。
私は、親や妻からもお金をかき集め100万円を持っていた。言っていいものかどうか迷ったが、それしかないから「100万円でお願いします。」と言った。その紳士は少しの沈黙のあと「わかった」と一言で話はついた。
若者らにキャンプ場を造るために土地を探すと言ってから約1年。ようやく種を撒く場所を手に入れた。
その年の6月に全員に現地集合をかけた。