「あとひと踏ん張り」

55歳で退職した翌年から、自分の活動を振り返る意味もあって大学院へ入学した。思えば森信三先生のこの言葉が背中を押した。「人は退職後の生き方こそ、その人の真価だといってよい。退職後は、在職中の三倍・ないし五倍の緊張をもって、晩年の人生と取り組まねばならぬ。」その通りだと臨んでみた。家人の事故やら、現場復帰やらで、中、2年間休学して昨年の4月から復学。今年卒業しないと後がないということで、正月はどこへも行かず修士論文をひたすら書き続けている。

38年前の大学の卒業論文を書いている時の思い出がよみがえる。自分を振り返るのに足かけ4年、100数十万円をかけて、学校での学びの締めくくりだと思う気持ちで論文を書いている。1/15日提出。41,000字を書き、結論が目前に来て、果たしてこれが論文と言えるのだろうかと疑問がわいてくる。社会人だから許してもらえるかもと言う甘い望み。日ごろ若い人にかける言葉とは思えないほどの自信の無さに自分が情けなくなる。

必ず今日は結論を書くと自分言い聞かせる。森信三先生の「教育とは厳粛で崇高な仕事なのです 民族の文化と 魂を受け継ぎ伝えていく 大事業なのです。」の言葉に導かれて結論までたどり着けたことに感謝だ。