5歳の上の孫が手術ということで、3歳の下の孫を保育園に連れて行く。おねいちゃんは手術だから僕も頑張ると、ごねることもなく「シー君」はがんばっている。
水戸学の学者で尊王攘夷論に大きな影響を与えた人物に藤田東湖がいる。勝海舟の藤谷東湖に対する人物評は現代にも通じる。
「藤田東湖は、俺は大嫌いだ。あれは多少学問もあり、議論も強く、また剣術も達者で、ひとかど役に立ちそうな男だったが、本当に国を思うという赤心(嘘偽りのない真心)がない。もしも東湖に赤心があったら、あのころ水戸は天下の御三家だ。直接に幕府へ申しいづればよいはずではないか。それに何ぞや、書生を大勢集めて騒ぎまわるとは実にけしからぬ男だ。俺はあんな流儀は大嫌いだ。」
現代も、国会議事堂の前で学生や市民団体のデモを扇動し、難癖をつけて国会を休む。政権をつぶしたいだけ、首相になりたいだけの輩(やから)が跋扈している。
続けて海舟は言う。「いまの世の中は、実にこの誠というものが欠けている。政治とか経済と言って騒いでいる連中も、真に国家を憂うるの誠から出たものは少ない。多くは私の利益や、名誉を求めるためだ。」
「至誠」という言葉が忘れ去られている。
「教育とは厳粛で崇高な仕事なのです。民族の文化と魂を受け継ぎ伝えていく大事業なのです。」は故森信三先生の言葉だ。教師としての「至誠」。それぞれの職での「至誠」をつくしたいものだ。
高山曜三