笑い話がある。いまだに付き合っている卒業生に「君と同級生にイチローがいる。天は能力を全部イチローに使ったから君には回らなかったのか」と言ったことがある。
大変無礼な話だ。しかし、調べてみると、私と同じ年齢には、アーヴィン・ジョンソンがいる。“マジックジョンソン“と言えば分るだろう。アメリカのプロバスケットの選手である。イチローの話し、他人事ではなかった。
彼は選手時代にはNBAでポイントガードとしてプレーし、1980年代にロサンゼルス・レイカーズで5回の優勝に貢献する(1980年、1982年、1985年、1987年、1988年)。1991年にHIV感染を理由に引退する。1996年にNBA50周年を記念した「歴代の偉大な50人の選手」に選ばれ、2002年に殿堂入りした。
「勝者と敗者の違い」という彼の言葉がある。
勝者は間違ったときには「私が間違っていた」と言う。
敗者は「私のせいではない」と言う。
勝者は勝因は「運が良かった」と言う。例え運ではなかったとしても。
敗者は敗因を「運が悪かった」と言う。でも、運が原因ではない。
勝者は敗者よりも勤勉に働く。しかも時間は敗者より多い。
敗者はいつでも忙しい。文句を言うのに忙しい。
勝者は問題を真っ直ぐ通り抜ける。
敗者は問題の周りをグルグル回る。
勝者は償いによって謝意を示す。
敗者は謝罪をするが同じ間違いを繰り返す。
勝者は戦うべきところと妥協すべきところを心得ている。
敗者は妥協すべきでないところで妥協し、戦う価値がない所で戦う。
勝者は「自分はまだまだです」と言う。
敗者は自分より劣るものを見下す。
勝者は自分より勝るものに敬意を払い学び取ろうとする。
敗者は自分より勝るものを不快に思い、アラ捜しをする。
勝者は職務に誇りを持っている。
敗者は「雇われているだけです」と言う。
勝者は「もっと良い方法があるはずだ」と言う。
敗者は「何故変える必要があるんだ?今までうまくいっていたじゃないか」と言う。
私は、「勝者」「敗者」がいつも自分の心の中で葛藤している。明日こそは「勝者」で1日が終わりたいものだ。
高山曜三